まったくのど素人からスタートした土肥農園。
音楽に人生をかけていた男が、

すいか1個に情熱を注ぐまでに
なにが起こったのか!
かなりの長文ですが、

その人生が劇的に変わる
ドタバタ模様におつきあいください。

12月に小宮山さんのもとでの研修を終了。
そしてプロジェクト研修も僕も含む同期生の進路(里親研修先)が概ね決まったので12月で終了になった。

年が明け、波田に住まいを移し、また妻も東京の職場を退職し波田へ。
いよいよ次年度の研修、里親研修のスタートである。

長野県の新規就農者への研修制度は本当に素晴らしいです。
まずは僕が受けた「新規就農者プロジェクト研修」。
そしてこれに続くのが「里親制度」。

この制度は新規就農希望者が希望の就農地で希望の作物で農業経営なさっている
篤農家さんに「里親」になっていただき、その作物の技術指導をマンツーマンで受けながら、
その里親さんの信用で、住居、借農地、中古農機・資材を探して、独立へ向けての準備をする 制度である。

先に述べたように、私は予め里親さんを義理の伯父、百瀬央士さんにお願いしてある。 ただ、ここからが普通と違った。
通常は研修生が里親さんの農地で教えを請うのだが
百瀬は私たちのために予め畑を二枚(30aと35a)探し出して下さった。
そして、その農地で私たちが実際にスイカを栽培して百瀬さんが事あるごとに通って来て下さり、指導をしてくれるというもの。
ウチは逆になってしまった。

農業という言葉がアタマに浮かんで、1年ちょっとで、自分の畑を持って栽培スタートとなる。
事実上の独立営農となってしまったのである!

当たり前だが、段取りは悪い、仕事は遅い。
スイカの管理作業で一番大切なのはツルの管理作業。
夏に向かえば向かうほど、ツルの伸びるスピード、長さは増すばかり。
まさにツルの伸びるスピードに追われる、ツルに追われる状態に追い込まれ、
いつしかツルに追い越されて・・・・
日々、精神的に追い込まれる。
こんなに厳しいのだ、と。
そして限界をわずかに超えた頃、見かねた 百瀬さんが指導&助っ人に来てくださる。
その手際のよさ、プロの凄みを教えられる。

そしてそんな前が全く見えない追い込まれた日々が続く中、
ある日急の晴れ間のように7月中旬、収穫の日を迎えた。
始めて自分で作ったスイカに包丁を入れ、そのスイカを口にする。
本当に美味しかった。
そこまでの苦しみが全て消え去った。

農業って思いついてから1年半、根拠のない決心からここまで辿り着いた。
百瀬さん のご指導があったらからこそできたスイカ。

本当にありがたかった。


© 2016 DOHINOUEN. All Rights Reserved.